pianofisica

Mathematics & Physics, Maxima, a bit Python & Wolfram, and Arts

7年間の資産運用アセット比率別バックテスト結果

2024年からNISA制度が改正されることになり、運用資産の見直しをかねて投資商品(投資信託)の性質をエクセルを使って調べました。中長期(2016年3月から2023年2月まで)の月次変動の過去データに基づいて計算しました。前回の記事

pianofisica.hatenablog.com

では、種々の統計データ、そして一括投資法またドルコスト平均法の場合でのシミュレーション結果を示しました。今回は、一括投資、リバランスなしの場合で、アセット比率の違いが生み出すリターンの違い、月次変動の違いを比較してみます。

投資に絶対はないと言いますが、過去のデータに基づいてどのようなリスク&リターンになるのかを確率・統計的に検証することはできます。それで未来を予測することはできませんが、数値的データによる裏付けは投資戦略を決めるうえでの手助けになるでしょう。

pianofisica.hatenablog.com



計算に用いた投資信託

執筆者はみずほ銀行のインターネットバンキング経由で資産運用をしており、アセットマネジメントOneの「たわらノーロード」シリーズを主に利用している関係で、各アセットの計算は以下の投資信託の過去データに基づいています。いずれもインデックス連動型の投資信託なので、細かい誤差を除けば多くのインデックス連動の他の投資商品にも当てはまるかと思います。

アセットクラス 投資信託銘柄 信託報酬率(%)
国内債券 たわらノーロード国内債券 0.154
先進国債 たわらノーロード先進国債 0.187
国内株式 たわらノーロード日経225 0.143
先進国株式 たわらノーロード先進国株式 0.09889
新興国株式 たわらノーロード新興国株式 0.1859
国内REIT たわらノーロード国内リート 0.275
海外REIT たわらノーロード先進国リート 0.297

※たわらノーロードは一部商品で2023年4月7日付で信託報酬率を引き下げます。掲載しているのは引き下げ後の値で、過去データに適用されていた値ではありません。

7資産均等配分

以下の場合でも同様ですが、2016年3月に全体で100の金額を一括で投資したときに、2023年2月の時点でいくらになっているか(1つめの表)、累計騰落率およびその年利回り・月利回りを求めました(2つめの表)。3つめの表については、月々の騰落率の変動について平均値、標準偏差、最大値・中央値・最小値といった統計量を求めた結果をまとめています。


 



GPIFの配分

ただし外国株式については先進国:新興国=7:1という比率で計算しました。




月次変動の大きさに基づいた配分(リスク重視の配分)

配分比率が資産の1/(月次変動の標準偏差)に比例するよう、リスクの小さい資産ほど比率を大きくするような資産配分です。



株式100%の場合(日本:先進国:新興国=30:40:30)




私の資産配分

執筆者自身は以下のような比率で資産運用しています。

実際は、先進国債券の60%程度はハイイールド債券を組み入れ、またコモディティとゴールドを合わせて8%程度投資しています。

まとめ

資産配分 年利回り(%) リターン(%) リスク(%)
5.86 0.53 3.17
6.23 0.55 2.77
2.58 0.23 1.61
9.90 0.90 4.40
8.58 0.77 3.76

① 7資産均等配分
② GPIFの配分
③ 月次変動の大きさに基づいた配分
④ 株式100%の場合(日本:先進国:新興国=30:40:30)
⑤ 私の資産配分
リターン:月次変動率の平均値(月次リターンの期待値)
リスク:月次変動率の標準偏差

さいごに一定利率の場合と合わせて運用額の推移をプロットしてみます。






キーワード:エクセル、投資

プライバシーポリシー