幾何学に関する研究史年表を作成してみました。wikipediaをはじめとするネット上の情報に基づいたものなので、正確性を保証するものではありません。また執筆者の勉強不足から、もっと重要な研究成果が抜けていたり、逆にあえて載せるまでもない成果が含まれていたりするかもしれません。執筆者の無学を晒すことにもなりかねませんが、教科書で見る名前の数学者たちが、歴史の流れの中でどのように位置づけられるのかを年表にまとめてみて、執筆者は個人的に楽しむことができたので今回の機会に記事として共有させて頂こうと思います。
- 紀元前
- 17世紀
- 18世紀
- 19世紀前半
- 19世紀後半
- 1850年:ストークス(1819-1903)ストークスの定理の再発見
- 1853年:リュービル(1809-1882)可積分性の概念の導入
- 1854年:リーマン(1826-1866)多様体の導入、リーマン幾何学の創始
- 1864年:マクスウェル(1831-1879)古典電磁気学の確立
- 1865年:ロッホ(1839-1866)リーマン・ロッホの定理
- 1872年:クライン(1849-1925)エルランゲン・プログラム
- 1882年:ダルブー(1842-1917)ダルブーの定理
- 19世紀末:ポアンカレ(1854-1912)位相幾何学の開拓
- 19世紀末:フルヴィッツ(1859-1919)リーマン・フルヴィッツの公式
- 1900-20年代
- 1900年:ヒルベルト(1862-1943)23の問題(1900)『幾何学の基礎』(1899)
- 1901年:リッチ(1853-1925)レヴィ=チヴィタ(1879-1955)微分幾何学の発展
- 1901年:カルタン(1869-1951)外微分の発明
- 1904年:ポアンカレ予想
- 1907年頃:ミンコフスキー(1864-1909)ミンコフスキー空間の発見
- 1910年:デーン(1878-1952)デーン手術の導入
- 1912年:ブラウワー(1881-1966)ブラウワーの不動点定理
- 1915/6年:アインシュタイン(1879-1955)一般相対性理論
- 1923年:アレクサンダー(1888-1971)アレクサンダー多項式の発見
- 1920年代:ホップ(1894-1971)微分位相幾何学の発展
- 1930-40年代
- 1931年:ド・ラーム(1903-1990)コホモロジーと特性類に関する理論の創始
- 1932年:ケーラー(1906-2000)ケーラー多様体の導入
- 1930年代:モース(1892-1977)モース理論
- 1930年代:ホッジ(1903-1975)ホッジ理論
- 1930年代後半:シュティーフェル(1909-1978)ホイットニー(1907-1989)ファイバー束、特性類の発展
- 1945年:カルタン(1869-1951)ストークスの定理の現代的定式化
- 1940年代:ヴェイユ(1906-1998)チャーン(1911-2004)チャーン・ヴェイユ理論
- 1940年代:小平邦彦(1915-1997)複素多様体論の発展
- 1950年代
- 1960-70年代
- 1980年代
- 1990年代-
紀元前
紀元前300年ごろ:ユークリッド(エウクレイデス)(紀元前3世紀?)原論
前三世紀ごろ:アポロニウス(紀元前262年頃-紀元前190年頃)円錐曲線論
17世紀
〜中頃:デカルト(1596-1650)フェルマー(1607-1665)解析幾何学の創始
ルネ・デカルト - Wikipedia
ピエール・ド・フェルマー - Wikipedia
解析幾何学 - Wikipedia
1687年:ニュートン(1643-1727)『自然哲学の数学的諸原理』の執筆・刊行
18世紀
1752/3年:オイラーの多面体定理
19世紀前半
1827年:ガウス(1777-1855)『曲面の研究』出版、微分幾何学の創始
カール・フリードリヒ・ガウス - Wikipedia
驚異の定理 - Wikipedia
発散定理 - Wikipedia
1830年頃:ボヤイ(1802-1860)ロバチェフスキー(1792-1856)双曲幾何学の創始
ボーヤイ・ヤーノシュ - Wikipedia
ニコライ・ロバチェフスキー - Wikipedia
双曲幾何学 - Wikipedia
1833年:ハミルトン(1805-1865)シンプレクティック幾何学の萌芽
ウィリアム・ローワン・ハミルトン - Wikipedia
ハミルトン力学 - Wikipedia
シンプレクティック幾何学 - Wikipedia
1848年:ボネ(1819-1892)ガウス・ボネの定理
19世紀後半
1853年:リュービル(1809-1882)可積分性の概念の導入
1865年:ロッホ(1839-1866)リーマン・ロッホの定理
1872年:クライン(1849-1925)エルランゲン・プログラム
1882年:ダルブー(1842-1917)ダルブーの定理
19世紀末:ポアンカレ(1854-1912)位相幾何学の開拓
アンリ・ポアンカレ - Wikipedia
位相幾何学 - Wikipedia
代数的位相幾何学 - Wikipedia
1900-20年代
1901年:リッチ(1853-1925)レヴィ=チヴィタ(1879-1955)微分幾何学の発展
グレゴリオ・リッチ=クルバストロ - Wikipedia
トゥーリオ・レヴィ=チヴィタ - Wikipedia
レヴィ・チヴィタ接続 - Wikipedia
リッチテンソル - Wikipedia
リーマン幾何学の基本定理 - Wikipedia
1904年:ポアンカレ予想
1907年頃:ミンコフスキー(1864-1909)ミンコフスキー空間の発見
1910年:デーン(1878-1952)デーン手術の導入
1912年:ブラウワー(1881-1966)ブラウワーの不動点定理
1923年:アレクサンダー(1888-1971)アレクサンダー多項式の発見
1930-40年代
1931年:ド・ラーム(1903-1990)コホモロジーと特性類に関する理論の創始
1932年:ケーラー(1906-2000)ケーラー多様体の導入
1930年代:モース(1892-1977)モース理論
1930年代:ホッジ(1903-1975)ホッジ理論
1930年代後半:シュティーフェル(1909-1978)ホイットニー(1907-1989)ファイバー束、特性類の発展
エドゥアルト・シュティーフェル - Wikipedia
ハスラー・ホイットニー - Wikipedia
ベクトル束 - Wikipedia
スティーフェル・ホイットニー類 - Wikipedia
ファイバー束 - Wikipedia
特性類 - Wikipedia
1940年代:ヴェイユ(1906-1998)チャーン(1911-2004)チャーン・ヴェイユ理論
アンドレ・ヴェイユ - Wikipedia
陳省身 - Wikipedia
チャーン・ヴェイユ理論 - Wikipedia
1950年代
1950年代:グロタンディーク(1928-2014)K理論
1952年:ロホリン(1919-1984)ロホリンの定理
1954年:ヤン(1922-)ミルズ(1927-1999)ゲージ理論の嚆矢
楊振寧 - Wikipedia
ロバート・ミルズ - Wikipedia
ヤン=ミルズ理論 - Wikipedia
ゲージ理論 - Wikipedia
主束 - Wikipedia
接続形式 - Wikipedia
1954年:ヒルツェブルフ(1927-2012)ヒルツェブルフ=リーマン=ロッホの定理
1954年:トム(1923-2002)コボルディズム理論の創始
1954,57年:カラビ(1923-)カラビ予想
1956年:ミルナー(1931-)7次元のエキゾチック球面の発見
1960-70年代
1961年:スメール(1930-)高次元ポアンカレ予想の解決
1963年:アティヤ=シンガーの指数定理(証明は1968年)
マイケル・アティヤ - Wikipedia
イサドール・シンガー - Wikipedia
アティヤ=シンガーの指数定理 - Wikipedia
1963年:ミルナー(1931-)ケルヴェア(1927-2007)手術理論
1963年:アーノルド(1937-2010)リウヴィル=アーノルドの定理
1967年:ラングランズ(1936-)ラングランズ・プログラム
1974年:チャーン(1911-2004)サイモンズ(1938-)CS形式の導入
1977/8年:ヤウ(1947-)カラビ予想の解決
1980年代
1982年:ハミルトン(1943-)リッチフローの導入
1982年:サーストン(1946-2012)幾何化予想
1982年:ドナルドソン(1957-)ドナルドソン理論
サイモン・ドナルドソン - Wikipedia
ドナルドソン不変量 - Wikipedia
エキゾチック R4 - Wikipedia
1983年:ジョーンズ(1952-2020)ジョーンズ多項式の発見
1980年代:フレアー(1956-1991)フレアーホモロジーの創始
1988年:ウィッテン(1951-)位相的弦理論
エドワード・ウィッテン - Wikipedia
位相的弦理論 - Wikipedia
グロモフ・ウィッテン不変量 - Wikipedia
1990年代-
1994年:コンツェヴィッチ(1964-)ホモロジカルミラー対称性予想
マキシム・コンツェビッチ - Wikipedia
ホモロジカルミラー対称性予想 - Wikipedia
ミラー対称性 (弦理論) - Wikipedia
1994年:サイバーグ(1956-)ウィッテン(1951-)サイバーグ=ウィッテン理論
ネーサン・サイバーグ - Wikipedia
Seiberg–Witten theory - Wikipedia
サイバーグ・ウィッテン不変量 - Wikipedia