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ではGamma関数の定義からはじめて、いくつかの公式:
Gamma関数の漸化式
とくに (自然数)とすると
となること、Gaussの乗法公式
や相反公式
を示しました。とくに相反公式で とすれば
となります。
さて、この特殊値と上の漸化式から半整数値を引数とするとき
となることがわかります。さらに また を使うと
とも表せます。
今回の記事では、これらの結果を使ってGamma関数をさらに調べていきます。
Wallisの公式
この公式はGamma関数の相反公式を示す途中で使った
から示せます。この式で として両辺の逆数をとった
から
を得ます。さいごに と を使って
と同様の式変形をしてWallisの公式が得られます。
Gamma関数の倍数公式
Gamma関数の引数を2倍にしたとき
の関係が成り立ちます。この式はGamma関数の倍数公式とよばれます。
以下ではGamma関数の倍数公式を示していきます。
まず、Gaussの公式から
さらに分母・分子に適当な因子を掛けて整理すると
となります。さいごに、再びGaussの公式を今度は逆に、そしてWallisの公式を使って
によりGamma関数の倍数公式が得られます。
キーワード: Gamma関数、Euler積分、Wallisの公式、倍数公式